16『終活』はいつから始めるべき?年代別・状況別で変わる適切なタイミング
『終活』はいつから始めるべき?
年代別・状況別で変わる適切なタイミング

「終活」と聞くと、「自分にはまだ早い」「高齢になってから考えることだ」と感じる方が多いかもしれません。しかし、終活は人生の終わりを準備するだけでなく、「今」をより豊かに生きるための活動でもあります。
特に、ご自身の財産や家族構成が複雑になる前に段階的に始めることで、将来の家族の負担を大きく減らすことができます。
ここでは、「まだ早い」と感じる方へ向けて、終活の段階的な進め方と、年代・状況別の適切なタイミングを行政書士の視点から解説します。
なぜ「今」終活を始めるべきなのか?
終活のメリットは、主に「リスクの回避」と「意思の実現」の2点に集約されます。
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家族の「争族」リスクを回避できる
遺言書や財産目録を準備することで、相続発生後の「誰が、何を、どれだけ受け取るか」という家族間の揉め事を未然に防げます。 -
認知症対策になる:
認知症で判断能力が失われてからでは、遺言書作成や不動産の売却、預金の引き出しなどができなくなります。元気なうちに意思表示をしておくことが、後の生活を守ります。 -
人生の整理と充実
財産や人間関係を整理し将来の希望を明確にすることで、不安が解消され残りの人生を前向きに楽しむことができます。
終活の段階的な進め方【3つのフェーズ】
終活は一度にすべてを終わらせる必要はありません。ご自身の状況に合わせて、無理のない範囲で進めることができます。
| フェーズ | タイミングの目安 | 主な行動と目的 |
| 1:整理・可視化 | 40代~50代(仕事・子育てが落ち着いた頃) | 「現在の状況を知る」ことが目的。エンディングノートや財産目録を作成し、現状の資産・負債・人間関係を把握します。 |
| 2:意思の明確化 | 50代~60代(定年退職や相続発生後) | 「何をしたいか、どう分けたいか」という意思を固めます。延命治療の希望、葬儀の希望、そして最も重要な遺言書の作成を検討します。 |
| 3:実行・共有 | 70代以降(健康状態に不安を感じ始めた頃) | 「準備した内容を実行・確定」。遺言執行者の選定、家族信託の検討、デジタル資産のパスワード整理、財産の贈与などを進めます。 |
【年代別・状況別】終活を始める適切なタイミング
「終活を考えるべきタイミング」は、年齢よりもむしろ「人生の大きな転機」にあります。
30代~40代:「守るべき家族が増えたとき」
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タイミング
結婚、出産、住宅ローンを組んだとき。 -
すべきこと
万が一の事態に備え、生命保険の見直しと財産目録の作成(特に負債の把握)。エンディングノートで、家族へのメッセージや希望を簡単に書き残しておきましょう。
50代~60代:「仕事や子育てに区切りがついたとき」
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タイミング
定年退職、子供の独立、親の相続を経験したとき。 -
すべきこと
遺言書の作成を真剣に検討する時期です。ご自身の親の相続で手間取った経験があれば、その教訓を活かしてご自身の対策を練りましょう。公正証書遺言の検討が強く推奨されます。
認知症リスクを感じたとき
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タイミング
ご自身や配偶者の物忘れが顕著になり始めたとき。 -
すべきこと
認知症が進行する前に、「財産管理委任契約」や「家族信託」の仕組みを検討してください。判断能力が失われてしまうと、これらの契約はできなくなります。
まとめ

終活は死を意識する活動ではなく、未来の自分と大切な家族を守るための「予防策」です。
「まだ早い」という考えを捨て、まずは「財産をリストアップする」という簡単なフェーズ1から始めてみませんか。
いちかわ行政書士事務所では、お客さまの状況やご希望をお伺いし、最適な終活プランをご提案いたします。漠然とした不安を解消するためにも、まずはお気軽にご相談ください。
