09『遺産分割協議書』はなぜ必要?自分で作成するリスクとプロに依頼する基準

『遺産分割協議書』はなぜ必要?
自分で作成するリスクとプロに依頼する基準

その協議書、単なる『メモ書き』になっていませんか

いちかわ行政書士事務所 代表行政書士 市川俊介

ご家族間の話し合いで遺産分割の合意ができたとき、『これで全て終わった』と安心される方は多いでしょう。しかし、その合意内容を法的に有効な書面に残さなければ、手続きは一切進みません。

その『法的に有効な書面』こそが、遺産分割協議書です。

流山、柏、松戸周辺で相続手続きに直面されている方へ。
この協議書は、単なる合意の記録ではありません。この書類の法的・実務的な重要性を理解しないまま作成を進めると、後々のトラブルや手続きのやり直しという大きなリスクを背負うことになります。

金融実務の現場を熟知したいちかわ行政書士事務所(郵便局出身)が、遺産分割協議書の必要性と、プロに依頼すべき基準を徹底解説します。

『遺産分割協議書』はなぜ必要なのか?—法的・実務的な重要性

遺言書がない場合、遺産分割協議書は相続手続きの『根拠』となる、欠かせない最重要書類です。

(1) 法的な証拠としての役割

遺産分割協議書は、相続人全員が『この内容で遺産を分けることに合意した』という事実を証明する唯一の書類です。

  • 紛争予防:
    後になって『言った』『言わない』の水掛け論になるのを防ぎます。

  • 訴訟の証拠
    万が一、協議内容を巡って訴訟になった場合、裁判所に提出する主要な証拠となります。

(2) 実務的な手続きの必須書類としての役割

遺産分割協議書がなければ、主要な遺産の名義変更や解約手続きは一切できません

  • 不動産の相続登記(名義変更)
    法務局への提出が必須です。

  • 預貯金口座の解約・払戻し
    金融機関窓口への提出が必須です。(※私の20年以上の金融実務経験からも、形式の厳格さは非常に重要です。)

  • 株式や車の名義変更
    証券会社や運輸支局などへの提出が必須です。

自分で作成するリスクと『形式不備による無効』の恐怖

専門家を通さずに自力で作成することは可能ですが、形式不備』により、せっかく作成した協議書が無効と判断されるリスクが非常に高く、その場合、すべての手続きがストップします。

リスク①:財産特定の漏れと記載方法の誤り

遺産分割協議書に記載する財産は、第三者が見ても特定できる形式でなければなりません。

  • 不動産
    登記簿謄本どおり、正確な地番、地目、地積などを記載しなければ法務局で受け付けてもらえません。

  • 預貯金: 銀行名、支店名、口座種別(普通・定期)、正確な口座番号を記載しなければ金融機関で受け付けてもらえません。

リスク②:相続人全員の要件不備

協議書には、相続人全員の署名と実印の押印、そして印鑑証明書の添付が必要です。

  • 署名と押印の食い違い
    署名と押印された実印が、添付された印鑑証明書の印影とわずかでも異なると、金融機関の厳格なチェックでやり直しになります。

  • 未成年者・認知症の方
    相続人の中に未成年者や認知症(意思能力がない)の方がいる場合、家庭裁判所で特別代理人成年後見人を選任しなければ、その合意は法的に無効となります。この手続きを飛ばした協議書は一切使えません。

プロ(行政書士)に依頼すべき基準とメリット

遺産分割協議作成を行政書士に依頼する図

協議書が無効になって手続きが滞れば、その間に相続人同士の関係が悪化したり、次の手続き(相続税申告など)の期限に間に合わなくなったりする可能性があります。

以下のような状況であれば、専門家への依頼を強く推奨します。

依頼すべき基準

相続財産に不動産(自宅など)が含まれている場合
 最も専門的な知識が必要で、法務局のチェックが厳しいからです。

預貯金口座の解約が複数ある場合
 金融機関ごとに異なるチェックポイントがあるため、金融実務経験が役立ちます。

相続人の中に、意思能力に不安がある方がいる場合
 裁判所への申立て手続きが必須となるためです。

行政書士に依頼するメリット

・形式不備リスクの極小化
法務局や金融機関の実務を知り尽くした行政書士が作成するため、書類不備による手続きのやり直しを未然に防止し、確実な手続きを強 力にサポートします。

・金融実務に強いサポート
私のような郵便局出身の行政書士は、法律知識に加え、銀行や郵便局の窓口で実際に提出書類として通用する『生きた書類』を作成できます。

・冷静な話し合いの促進
感情的になりがちな協議の場から一歩引き、公平な立場で協議内容を正確に文書化することで円満な解決をサポートします。

安心と平穏を『確実な協議書』で

遺産分割協議書は、亡くなった方がご家族に遺した『最後の財産』を円満に次世代へ引き継ぐための、いわば通行手形です。

流山、柏、松戸周辺で、ご家族間の合意を確実な形で残したいとお考えの方は、ぜひご相談ください。
いちかわ行政書士事務所では、総額費用を明確に提示し、確実な手続きでご家族の負担を最小限に抑えます。

初回相談は2時間無料です。お気軽にお問い合わせください。

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